相場でゴハンが現在食べて行けない人のために、少しはマシになるためにするべき初歩的な事は共通していると僕は思う。だから「ああやれ、こうやれ」と具体的な事を少し書く事が出来るし、「君がしたい事ってこういう事じゃない?」という御本人によくわかっていない事を例証もできる。仕事用のちゃんとした道具を完備して、基礎の練習をコツコツやれという以外に方法は無いのだ。相場だけが例外であるはずがない。すべての仕事は同じだろうと思う。
僕のテキストを読めば「ああそうか」とよほどの馬鹿でない限りは容易に理解できるのだが、実際に実行するのか(できるのか)?という点は個人差がとても大きい。なぜならかなりの時間や手間が最初のうちはかかるからであり、それを一応完備したからといって、即座に相場が上達するというものでもないと思う。まあ個人差があるが10年ぐらいは普通の人なら誰でも必要な時間だろうと、大きくなった他の人の経験談を聞くと共通しているような気がする。
相場師は職人仕事に近い。コックとかピアニストとか外科医とか、実行することで失敗を繰り返しながら徐々に上達する感覚的な技術だと思うから。いくら高い本を読んで知識が一応ついても即座にそれがお金になることはまず無いと思ったほうが良いだろう。練習中は「損が出る」ほうが最初は多いだろう。下手だからという他ないのだが、自分の下手さを自覚しながらすこしずつ出来るようになるしか方法がないのである。プロが「損切り、損切り、損切り」というのはだから正しいのである。それが出来ればプロに近づくのである。
知識でお金になるのなら、1冊100万でも1000万でも僕は安いと思うが、知識の通りにアマチュアが実行できるのか?と言えば一番容易な基礎の道具の完備や少枚数の分割でさえ、100人いて出来る人はほとんどいない。数百人いて1、2名の確率だ。そんなことは最初からこちらは分かっているので、少しはマシな人(上達する要素と可能性がありそうな人)以外には僕は話をしたくない。書き込みに強弱があるのは当然で、実行者の譜を見れば5秒でその人の程度はすぐにわかるのだ。
同じ銘柄を固定して2分割を繰り返し何度も売りと買いを組み合わせて実行すると、小さな波でも乗って降りる経験から様々なことがわかるようになるし、またそのうち段々と出来るようになる。前回の5541太平洋金属(ベトナムさんも同じものを買いだけやっていたね)をその後の練習用の売買譜と解説を上げる。
2/2 318 −1
2/4 337 1−
2/12 361 1−
2/16 368 2−
369 1−
2/19 358 −4
3/12 343 −1
340 −1 となった。利食いは49円ぐらいだろう。
試しを 2/2 発会 −1 318 と買いから入ったということは、「よくわからないまでも一応強気(上げるかな?)」と多分その時は思ったのだろう。(ほとんど記憶にない、どうでも良い事である。いつも曲がるから。)昨年夏に高値を取って、日柄で半年だから、期日向かいで買いで入るという一応の仕掛けの定石である。月足を書いていれば馬鹿でも考える方法だ。(当たる、曲がるはやってみないと無論わからないが、、。)
月足をたくさん書けば、低位株の周期が半年が多いのは見当がつくだろう。その見当をつけるためには量を書いて身体で納得して「実行する」=ちゃんと定期的に建ててみる=ことが最初の一歩なのだから、しない人に出来るはずが無いということになりはしないのか?居過ごし以前の怠慢が多くの人の実体だ。相場は見ているだけでは金にはならないのだから、、。自信を持って(単なる個人の思い込みでしかないが、無いよりは有ったほうが動機付にはなるだろう。もともと演繹的根拠などいくら探しても無い世界の事なのだから、、。)まず1枚試しを建てないと何も始まるわけが無い。試しは上下どちらでも宜しい。自分の好みの方向で良い。
さてそれが(安値を)狙いすぎて失敗して下が入らない。=買い始めが1週は遅すぎる=安値を狙いすぎるという結果で上げてしまった。悪い玉は即座に落とせというがしょうがないので 2日後に3/4 337 1−と落として丸。
その後もスルスルと戻して行く。買い遅れた失敗なのだが慌てないで次を狙えば宜しい。いちいち細かい事を気にすると気鬱になって良く無いのだからとにかく着いて行くことだけ考える事だ。ダメなら落として休むだけのことだ。次(の安値)までしばらくは時間があるのなら逆指しして売って見る。方向なんてどうせ当たらんのだから考えても無駄である。
新値6本で3/12に、「そろそろか?(目先戻り天井)」と感じて
1− 361と売り建ち。当日陰線引けとなって 371が当月の高値になった。
その後も売値より上があるので3枚乗せてみる。2週で値幅が少し出たし、上が重い感じがしたので多分W底をつけにいくという感じもしたのである。折れ線の見れば誰でもわかるが昨年夏の天井はW天井だったから、底も対応してWになるんだろうと仕掛けの前からいつもの当たらん予想をしていたのだが、そんな感じになってきたので、最初の−1をあっさり落として入り直せば良いと感じたから、その通りに動いたまでのこと。やりながら修正打を打てば良い。=つまり相手に合わせて行くプロセスだ。
売った感じ(空売り)は上が詰まって抜けないのだからたぶんお辞儀だろうが、それがどれぐらい(値幅と日柄)かは無論かわらんので、落ちさえすれば宜しいだけのことでこれも3手で買い落ち。丸にして目先高値から陰線新値が出るのを待つ。2−3週で出るかな?ぐらいはいつもの事だ。上げが6本なら前後は出るかな?と休み3つを開けて3/11 337の6本を見て、翌日は2回出てみたという所だ。
買いは341.5平均だ。利食い分49円を入れるとコストが1枚25円下がるので、この2枚の平均は実質316円ということになる。昨年来安値は13年2/17 315ザラバだからそれと同じ買値になったことになる。結果論だが一年で一番安い値で仕込んだら、3−6ヶ月後に売れば大抵は大きく利食いになることが経験的に多いからあとは3ヶ月後に売っても良し、押目を重ねて拾って1年忘れても良し、勝手に金が増えるということが恐らく起きる。ほんの数枚の分割の単純な繰り返し売買が出来るだけで、小さな波に乗って降りるだけで素人離れした玉操作になってくるのだから、最低でもこんな程度の分割が自在に何時でも出来るぐらいまでは反復練習をする必要があるのだが、売買に「当てる」要素は多く無いのが理解できるだろう。少しだけ上下に振幅が出さえすれば相場師は飯が喰えるということである。上下両方向に小さな小さな波(変動率で15%ぐらい?)に乗って降りてまた乗る。こんな程度の小波は場帳や折れ線グラフを50も書けば常に毎月でも起きているのが眼がついている人なら誰でもわかるはずだ。そういう銘柄を選択して好きなもので練習すれば良いというのがわかるはずで、業績だの金利だのノイズの入る要素は一つもない。ノイズを無視しろ(材料はどうでもよい)という部分がアマチュアの当て物博打と異なるポイントなのである。相場をするとは単なる値動きの振幅に対するこちらの反応ということである。わかっていても出来ない現実を「どう工夫して乗ること、降りる事、重ねる事、逆指しすること」が出来るようになるのかだ。それが仕事としての相場の分水嶺なのは言うまでもない。
300名に実験的に2年ほど教えて、10年で出来た人は3名だった。東大、東工大、6大学、医大卒がゴロゴロいる秀才でも結局一人も出来ないのだ。記憶力が良いとか計算が鋭いとか勉強なんて人一倍出来ても相場が出来るようには1ミリもならないという事である。それぐらい「感じて素直に動く」ということは困難なのであると思う。逆説的に指摘すると「考えるから出来ない」という事でもある。いくらうだうだ考えてもネーチャンは口説けない。「感じて動く」ということはSEXに似ている。相場の上手い人にスケベが多いのがうなずける。ベトナムさんは(スケベ)だから上手いのだと思う。
身体的な反射動作を東大仏文卒の内田樹さんは合気道の身体運用技術について「身体知」という言葉をよく使用するのだが、相場に必要とされるのは分析的、演繹的技術知ではないのである。技術知では確率5割を絶対に越えないのに対し、身体知は100%に近い反射の利食いを実現している。その論理的、演繹的説明が現代数学や科学では不可能だという点で、「有効性」が高いからプロが飯が喰えるという結果が生まれるという事実があるのだと思う。
「さて君にはこれが出来るかね?」というのがこのブログの前々からの主題の一つでもある。できそうもないのなら相場は止めておけと言うのが親切というものだろう。「知らぬが仏」とは言うけれど、必要以上に金があってもどうせ幻想であり個人的に大きな意味が有るとも僕には思えない。「格差」論議が姦しいが、少し資金が多ければ年金の5倍や10倍はこんな単純な操作だけで取れると僕は思うので、老後が心配な若者は時間をかけて出来るようにしてみれば良いと思う。成功すればまた新たな格差を生むはずだが、(僕のように普通の庶民の)貧乏人が毎月200万も200万も遊ぶのは苦痛である。大抵は身体を壊して崩れて終わると思う。贅沢な暮らしをしても結果的には時間とともに金は残るのだ。
メルセデスのCL55という車は1700万円だ。カローラの多分5−7倍ぐらいはするんだろう。「贅沢が素敵!」と本音で思うのなら相場で取った人様のなけなしの金をリアルに払って乗ってみれば良いと思う。なんでも経験である。実用性なら両車に大差はない。単に「気分の問題」だけである。生産と消費の実体と幻想の差異が体感できるだろう。だから相場師とは所詮幻想のための(情緒的な、感覚的な)商売なのである。 |
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