40代の中頃、アルバイトで小さな会社をやったことがあった。たまたま偶然のきっかけがあって以前使っていたアルバイトの22歳の男の子を社長にすえて始めてみたのだが、その子が中々の才能で、始めて3か月で当たって儲かった。世の中は不景気なのに毎月300万も400万も売れる。原価ゼロの広告商売だったから、車を買ったり、億ションを借りて住んだり、剛勢な海外旅行をしたりして二人で散財した。3年で2−3億売った記憶がある。国税庁の調査が入って仕事が一時的10日間も中断してまいったことも起きたが、きちんと税は支払っていた。人が増えて売りがその後倍加して手狭になったので6畳一間のボロアパートからマンションに事務所を移した。初台という新宿のそばだ。ここには落合シェフのラベットラというイタリアンレストランがある。安くて旨いから月に5−6回は通っていた。それぐらいしか事務所には行かなかった。年に60日通勤して5000万使えば1日80万だ。そんな脳天気なリーマンも世の中には少しはいるんだろうと思う。イタリー料理はあちらに仕事があった30代からいろいろなミシュランに出る有名店にも行ったのだが、落合さんの料理はそれに負けないというかさらに美味しいと僕は思った。それは彼の料理が日本人の作るイタリアンだからだという結論となった。どこか、そこはかとなく「ひらがな」の味がするのだ。オリーブなのかチーズなのかそれともアンチョビやトマトのせいなのかはわからないのだが、多分その分量や時間と配合の総合ということなのだろうが、イタリア人の有名シェフの作ったイタリアンよりもどこか「ひらがな」の味がして、僕は大好きだ。東京を離れてから、彼の料理を食べる機会が無くなって少し寂しいのだが、彼の本を買ってパスタを自分で作るようになってもう3年以上がたつ。今日のブランチはホタルイカのフィットチーネアラビアータにした。
ドライブ旅行をするのが好きで、好きな車にマダムを乗せて1週間とか10日間とかかけて東北をぐるっと一周して帰るとか九州をまわるとかそういう国内のグランドツーリングをするのが当時の憂さ晴らしのようなものだった。山形の酒田にそばにアルケッチャーノというとびきり旨いイタリアンレストランがある。東京の人が地元に帰って、地元の食材と水を使って作るイタリアンで、店舗デザインは「なんこれ?」という驚くほどダサいデザインの店だが味はすこぶる旨い。パスタに使う水と肉や魚に使う水がそれぞれ異なる水なのだ。軟水と硬水を料理ごとに使い分ける手間のかけようだ。毎日湧き水を汲みに行く手のかけようだから、不味いはずがない。そこで食べたのがホタルイカのフィットチーネだった。多分2000円もしなかったと思う。あの頃も相場をやっていた。資金はまだ億を超えてはいなかったから、枚数も少ないし、なんぴんの買いが早くて回転をあまり意識するほど上手くは行ってはいなかったが、それでも1000万とか2000万とかは毎年相場で利益が出ていたと思う。相場師という職業(?)の駆け出しだったから、暇をみつけては折れ線や月足グラフばかり書いていたように思う。それでも何か誇らしくて自分一人で自立できるという仕事につけたことでそれを自分に納得させるために気張った消費をしていたのだろうと思う。外車を年に数台買った記憶がある。子供も中学、高校だったから、毎日家に父親がいるという変な家庭というのにきっと困ったことだろう。そんな娘も結婚して孫を3人産んだ。月日のたつのは実に早い。
2052 協同飼料という地味な穀物輸入の飼料会社がある。当時(2000年頃)も100円内外の価格で今と変わらない。その後FAIの選定銘柄に取り上げられたりもした会社だが、その前から売買はしていた。配合飼料と2つ今も場帳を書いて売買するおなじみの銘柄だ。2006年1月に247円で天井して崩れ震災時は76円まであった。林サンの大失敗の選定だったから覚えている。1年で倍加という謡で釣ったFAIだったが1年で1/3になった。鬼が笑う。1996年の戻り高値が630円だからどん底は約1/10まで叩かれたということになったのだ。地味な飼料会社の業績がそれほど極端に変わるわけがないにもかかわらず、株価というものはこのようにすぐに劇的に変化する。たったの数年で1/10になったり数倍になったりする。業績や金利では説明できない変化がおきるのは、つまりすべて「人気」という不思議な幻想のためである。ようは大衆の気分というだけの単純な話である。それが実に気まぐれで極端に変化するというだけのことに過ぎないのだから。こういう不人気の低位株が半年とか1年で2−3倍に木の葉が舞い上がるように倍加していくような相場がそろそろ始まるような気配が僕はしている。きっと1996年の戻り高値を当初の目標として多くの低位株が水準訂正を今後順番にしていくのだろうと能天気な事をグラフを記入しながらぼんやりと思う。上昇の根拠など何もない。グラフの型が良いぐらいしか客観的な理由はないが、大きな幻想がどうやら始まりそうなそんな気配が空気に伝わってくるような感じがするのだ。あくまでも個人的な感覚だ。
今日の場帳を書いたら、「コツンと来た」低下株がたくさんあった。2/5 4/11か16 4/30か5/1で三尊かWでコツンだ。
結局、安値を諦めてしまった感じの低位が多い。桑田の歌に「夏をあきらめて、、」というのがあるけれど、そんな感じのメランコリックな後を引く味のバラード調の底入れという感じが僕にはとても強い。
先日、僕のメアドを乗せたら知らない女性からメールが届いた。I wish to be under the same sky。
そんなしゃれたヘッドだった。函南の夕焼けの空を「はるこ」さんにあげよう。
|
>
- Yahoo!サービス
>
- Yahoo!ブログ
>
- 練習用