少し長い目で低位株の波動を見ると、投機家の日々の価格変動についての考えと対処も随分と変ると思う事が多いが、意見を同じくする人は稀だ。強気=買いが有利 という立場に現在はいるから常に根玉を持って天井するまで基本は維持するという万年強気の僕やベトナムさんのような人でも、特定の期間では玉を利食して減らしたり、上げ過ぎというものを売って担がれてみたりと個別の操作は無論異なることが多いだろうが、結局は大きなうねりの底付近では買いに大きく傾けるだろうし、目先天井臭いなら一端は相当部分を外して利食い(またはつなぎ)、しばらくたってまた買い戻すという動作は、期間、量、インターバル、回転率の差異には個人差があってもしている事の本質に大きな差はないんだろうと思う。(そうでないと儲からないからだ。)
月足グラフを長期間に渡り1000枚とか大量に書いている人は、変動の期間が長期にわたる低位株の値の運び方というもののパターンが安い時ほど単純だと恐らく感じるだろうから、「取りやすい場所や期間」が個人的に見当をつけやすい。例示すると今回の上げ相場のスタートは2012年の夏か秋の安値(震災時の突っ込みの安値は別として)とすれば、大半の株は現時点で例外無く2倍以上になっている。だから当時から3年で資金は2倍になっているはずでそうなっていれば宜しいという事だ。(何もしないで買っただけで良いということだ。)
僕の定番の8013は2011年安値30円が現在64円だから絵に書いた餅のようだが、そのプロセスは150円まで一時は上がって(5倍)60円まで下がって(4掛け)また90円に上がってまた62円まで下げている。この間、僕の操作は38円で買って62円で売って、45円で買って72円で売って、53円で買って118円で買って63円で買って89円で売ってと4回転ほどしているから都合142円の値幅を利食いしている。そしてまた今月63円で7枚ほど買っている。原価は63−142円だからマイナス790.円だから、倒産しても損にはならない。(枚数が同じなら)原価の5倍になっている分の3倍部分が投機家の生活費になるという事である。メルセデスもレクサスもマンションもネーチャンも実はタダなんだからホイホイ買えるという事で良い商売ではあるなと事実僕も思う。
安値のメドは、半値8掛け2割引というから(32%)高値164円なら52円になるが、今年の安値は59円だから実際はそこまで大抵は届かない。今月は8/10 64 −2 8/14 63 −5 と2分割で拾って様子見だ。下があればドンドン増玉しても良いが、すぐには上がらんだろうから(まだ高値から8週だから)16週までのどこかで金が余れば拾えば良いと思っている。一方で、13年高値164から59まで105円押したということは、仮に低位株の本格的な上昇が起きる(無論僕はそれにか賭けているのだが)とすれば、次の上げ波動は倍返しだから164+105=269が一応の次の高値のメドとなる。63円が269なら4.2倍だから、資金は4倍になるということで5000万なら2億、1億なら4億に化けることになる。だからツッコンだら必ず根玉が確実に増加するというような操作をするというのが定石というのが僕の基本の方法なのだ。相場と喧嘩してもしかたないので、気長に待つ。半年か2年かなんて僕にわかりっこない。(したがって多分誰にもわかりっこないし、当然曲がるかもしれない。そしたら落とすだけのことだ。)わからんものをあれこれ予想しても当たらんというのが経験則であり、諦めた頃に上がり出すというのも経験則で実現性が高い。だから長生きが成功の秘訣だが、相場師は早死が多い。是銀の98というのは奇跡に近いだろう。50代ぐらいまででほとんど死んでいるのが多いようだ。まあ還暦でもまだ俺は生きてるのだから、もうそれだけで慎重な方と言えるかもしれない。大抵は張りすぎで潰れるのが大半だろうと思う。
人気がつくと相場は大きく意外な動きになるものだ。金融資産の構成比の国際的な劇的変動に賭けるという手法(価格革命に賭ける)をじっくり数年以上にわたって実行するというと大げさだが、そういう波を捉えないと大きくは勝てないと思うので、そういう波が来そうなものを探す。無論、月足グラフを書きながらということだ。まあなかなか当たらん占いのようなものだが、20−30年に1回くらいはそういう事が起きているのが、長いグラフを書いていると確認できると思う。
さてそういう大きな金融相場の前提が金余りと不景気(資産の偏在)から起きるという推論からすると、現在の日本はその前提条件を満たしている。貧富の差が拡大し、実物需要は飽和して弱い。預金、現金が積み上がって行き場がない。不動産は一部を除いて需要減から低落傾向で、金利はもう下がる余地がない。つまり債券バブル状態でいつ弾けても不思議が無い。不思議なことに個人はもう3年あまりずっと株を売り越しているから、待機資金はたんまり(25兆ほど)積み上がっている。売り切ってしまえば、あとは買う意外に手がないんだろうと思う。出来れば安く買いたい人ばかりだから、少し上がるとすぐに止まるの繰り返しがこの所の値動きの特徴だから、今回の突っ込みも7/9一番底、来週のどこかで2番底ぐらいの軽い調整で終わるのか、それとも半年程度の調整を11月ぐらいまでかけるのかいずれかになるんだろうと思う。
3月高値のものが今週で16週、5月高値のものが今週で12週だから、一端良い所という感じも強いが、まあ過ぎ得てみればわかるのだから、分割でポツン、ポツンを安い所を拾って半年ぐらい待つつもりで買えば良い。7月の急落時もポツンと買った大半は利食いで逃げられたのだから、その時の買値より安いなら2回転目をすれば良いというだけのことである。
5202を例示すると4/16 129 3− と外して一旦マルになった。その後142の高値があって3か月待って
8/3 119 −2 8/4 115 ー2と前回売値より下がったので試しで拾って、2週後の8/18に 121 4− と一端また外している。3ヶ月で142から113まで30円ほど押したから、次に2段で下がると戻り高値122から30円下なら92ぐらいかと思えば、100を割ってから買っても良いかなとも思う。それは今後113を割るかどうかという事であり、それは後になって分かる事だから、一端4円でも外しておくという安全策でもある。下げ登場の戻りは弱く短い。3本戻りの新値が限界が多いから4本の18日売りはギリギリなのである。ここも操作は常に定石になることが僕は多い。
今年の安値は101 1/16だから(僕の129の売り玉は昨年90円台で拾ったものだった。)仮に割れば弱いから最後の突っ込みということになるかもしれない。どうなろうが止まれば安値を貯めて買っていくということである。まとまって20でも50でも100でも貯めて部分的に転がしても良いし、そのままでも良い。好みと必要性の問題だろう。
適度な回転を志向するなら来そうなものを複数銘柄、等株数とか等金額とか分散すれば、どれかは当たることになる。因に50程度に分散すると年間で10−15%ぐらいはストップ高を見せるものが小型の低位株には多いようだが、バイアスが低いものほど当たるという気紛れがしばしば起きる。まあ人生とはそんなもんだろうと思う。(笑)
値動きの癖というのは意外と規則的である。指数(225とか)が5000−6000円ぐらい上がれば、その後の押しは1/3から2/3ぐらいの間が多いのだ。つまり調整は起きれば2000−4000円ぐらいの幅と日柄(3ヶ月の整数倍)の組合せになりやすい。だから一端天井して下げ始めたら、そのタイミングで止まるかまだかを良く見る事だ、試しは止まりそうと感じてからで良いから、「ゆっくり、少なめに1枚」に限る。99%早いというのが現実だから、遅いほどその後の利食いの利益率が上がりやすいのである。分割操作が出来ない人に何を書いてみても無意味だが、少なくとも分割練習をしている人は、そのうち資金が大きくなれば同じようなことがまず出来るようになる事が「生活のための相場」の最低限の条件だろうと思う。最も簡単な方法を具体的に噛み砕いて僕は書いている。出来るようになるのは道具の整備と練習以外に方法論は無いのである。
今日も暑かった。夏の終わりの日暮れの海は不思議な色だ。また季節のページが変るねと思う。図書館でまた町田康を借りた。彼も熱海に猫と住んでいる。