土曜日の午後9時にNHKスペシャル『老後危機』というのを見た。毎度の事だが、これは視聴者参加型の番組で馬鹿そうなタレントや作家、専門家(福祉とか経済とか)と貧乏で善良そうな一般人が80人ぐらいスタジオに集まって、アナウンサーの質問に二択で答えて、その理由を云々する番組なのね。例えば「老後は心配ですか?」と聞くと86%がイエスと答える。「老後(65歳から)にはいくらお金が必要ですか?」というと参加者の大半が3000万以上必要だと答える。(30−40代の若者もそう答えていた。)データがいろいろと出て、老後の生活費は平均値では年金が夫婦で21万で支出が26万で毎月5万不足すると死ぬまでで1200万不足するが、これにアレコレ追加費用(子供の結婚とか家の援助、住宅の修理費、旅行や車の買い替え)を足すと3000万ということらしい。この不足を貯蓄で賄うが、それには節約してお金を作るか、投資運用でするのかどちらが良いかとか、質問自体に意味があるとも思えないような馬鹿な内容で、国営放送のレベルの低さにこちらは頭痛がしてくる。
放送する側の(つまり国の)意図がどこにあるのかしらん?と僕はいつも思うのだが、「世の中は不景気でこんなにみんな不安なんですよ。あなただけじゃないから、あまり年金は当てにならないようですし、まあ地味にせこくなんとか凌いでいきましょうね。」ということなのか「老後はお金がとてもかかるから、贅沢は控えてコツコツ貯めましょう。」ということのようにも思える。全員が地味で真面目でコツコツ型の農民根性一色で染まっているようで「一発相場で当てて(あるいは商売で当てて)豪遊して酒池肉林でウハウハ楽しくやろうぜ!」なんて意見は一つもない。全体がこういう暗いムードや空気だと、その子供や孫は親の顔や生活を見て育つから夢も希望もない暗いイヤーな感じを将来に対して持ってしまうのだろうと心配だ。親が成功して、お金の心配など一切なくて、楽しく豪快でウハウハ笑いながら残りの時間を遊び倒すというような生き方を実際にしていれば、こんな暗いムードに若者全員はならないんだろうと思うが、そういう爺や婆が実際には実に少ないのであると思う。
生徒や昔の弟子から猫次郎は規格外だという羨望や非難や反発や指摘がたまにあるのだが、かといって「オメーラ、そういう規格外になりたくて相場張るんじゃねえのかい?」と聞くと「その通り」というんだから、自分の貧乏性を懐かしく思う傍らで(同一化圧力への親和性)、もっと豊かに幸福になりたい(差異化願望の実現)という矛盾した心理に輻輳するテンデンバラバラのアンビバレントな人ばかりが寄って来る。ややこしい連中だなあと思うが「はっきりせいや、自分の事ぐらい自分でなんとか始末をつけろ」と僕は言いたい。
毎月の年金26万ではベントレーやメルセデスに乗ってデートでミシュラン飯は喰えないのだから、それがしたいならもっとたくさんの金がいるだけのこと。単純な算数問題である。毎月260万なら可能だから、したい奴はやれば良いだけの事である。そもそも年金制度とか福祉、介護という公的サービスは税金が元になって出来ているのだから、そんな贅沢が出来るようになっているはずがない。だから自分の欲しいものを実現するのには(それが比較思考のすこしの贅沢であるにしろ)「税金」という他人に少しでも期待するような心理の人が実現できる可能性はゼロであるという認識がないから不幸が始まるのだろう。自分と他人を比較しても自分の幸福なんて実現することはないし、つねに「自分なり」の幸福以外に世の中にはないのだろうと思う。自分の幸福の具体的なイメージが無いなら不安になるんじゃないのかね?リーマンを30年もやっていると何か重要な事を自分一人で決めて実行するという生活習慣生活技術が否定されてしまうから、自分の事を自分で決められなくなっているのかもしれないと思う。それって奴隷だろ?と思うがきっと自覚がないのだろうなあ、、。
68歳の元気そうな男の人が出ていて、「働きたいのですがこの歳になると誰も雇ってくれないのです。」と文句を言っていたのには正直に驚いた。オメーの売ろうとしているのはオメーの労働力という時間だろ?労働力というのはつまり市場的な商品だろ?新鮮で安いものが売れるのはスーパーの野菜と同じだろ?古くて(68歳)まずいものが市場で何で売れるとオメーは考えるんだろ?マジ気が狂っていないかね?68歳になっても自分が何が売り物かということがわかっていない人がいるということが驚愕と言う他無いと開いた口が塞がらないのである。
成人したり歳を取って自分が社会に売れるものがないと奴隷と同じことになる。資本性社会とはそういうものであるという教育を怠って来たのでこうなったんだろうと思う。何でも良いが売りが無いと惨めだと思う.時間を売るというのは最低の最低(他に売る物がない人)の競争力のレベルだが、不思議にみんなそれをしたがる。リーマンとは期間限定の(大卒から定年までの)奴隷であると言える。誰も認めたがらないのが不思議?(爆)きっと認めると惨めで死にたくなるからだろうかね。
相場師は感覚と技術があると飯はそれなりに喰える。かなり旨い飯が喰えるのだ。なんでも市場で売っているものなら買えるからその点便利な商売だ。資格、性別、年齢も問わないが、種がいる。最初の種を作る過程の方法と、それを大きく育てて楽しむ方法は異なるから(ほぼ正反対であるから)、そこの飛躍が苦しいのだろうと思う。飛び越えたら極楽なんだけどなあ、、。
|
>
- Yahoo!サービス
>
- Yahoo!ブログ
>
- 練習用